かり。(かりまる)が書く不定期更新ブログ 腐向け発言注意
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無題
豆撒き。
インターネットに繋がらなかったせいで今まで絵を載せられませんでした・・・。
あいぽんからの投稿は問題ないのですけれどね。
続きで「鬼歩き」の小説です。
簡単なお話にしたつもり。
「待て!今日こそ絶対に祓ってやる!」
大声をあげて追いかけてくるのはいつも通り、ヤツだ。
矢車(やぐるま)正一(まさかず)。
妖銘町(ようめいちょう)にある寺の住職の息子であり、『祓屋(はらいや)』である。
先祖代々、妖怪や霊を祓い、清めるのを家業としているらしい。
ついでということで鬼も祓うとか言ってるおかしいヤツだ。
でも、学校では人当たりも良く、頭も良い。運動神経抜群。
クラスの学級委員にもなっている。
そんで、俺と同じクラス。
だが、今はそんな事どうでもいい。
問題は正一がブチ切れながら釘バットを持ち、俺を全力疾走で追いかけてくるという事だ。
まぁ、悪いのは俺なんだが。
「だから悪かったって謝ってるだろうが!」
俺の制止の言葉も聞かずに殺気を放ちながら釘バットを振り回してくる。
実際、なぜこんな事になったのかというと、
学校でとあるムカつくクラスメイトに雑巾を投げたら、丁度その前を通った正一にヒット。
で、雑巾を投げたのが俺だとわかってブチ切れた。
まったく・・・災難だ。
俺は後が怖かったからすぐに謝った・・・けど時既に遅し。
学校の外まで追いかけられることになった。
「おい、『ぽん』は居るか?こうなったら『瞬』か『すすろ』でもいい、正一を足止めしてくれ。」
空から赤いものが落ちてくる。よく見ると赤い傘。
「あいさー。まったく、正一の旦那もいつになったら懲りるんかねえ。
一縷の旦那はさっさと逃げてくりゃんせ!」
赤い傘の正体はすすろ。傘化けだ。
子分の妖怪の中でもとびきり強い耐久力を持っている。
すすろの傘にかかれば釘バットなんてなんてことない・・・はず。
「すすろ、防御は任せますよ。私は一縷さまの言うとおり、『足止め』をしますので。」
すすろの影から一匹の狐が顔を出す。
よく見ると瞬の周りに青い火の玉が浮いていた。これは妖狐の種だけが持つ狐火。
「すすろ、瞬、ぽんはどうした?」
「さてはて、迷子にでもなりましたかね・・・。」
「多分、留守番してるんだとな。」
「そ、そうか。」
正一の攻撃を防ぎながらも『ぽん』がいないことが気になった。
「って、のんびりしてたら突破されるぞ!」
またも、時すでに遅し。
正一が持つ巨大な力ですすろの防御が突破された。
そして瞬の狐火も正一の釘バットにより場外ホームラン。
思った以上に飛んだな。
「その程度で俺を止めようなんて・・・甘い。」
「げっ・・・。」
相当お怒りのようだ。
不敵な笑み浮かべて俺の頭上をロックオン。
そして、釘バットを持ち上げた。
「終わりだ。」
ドスッ!!
鈍い音が聞こえた。
いつまで経っても痛みが無いので目を開けてみると目の前にはサンドバッグ。
「迷子になって、遅くなりま・・・し・・た・・・・・・きゅう。」
ぽんっと音を出し、煙をたてながらサンドバッグは小さな狸へと姿を変えた。
しかも子狸。ぽんだ。
化け狸であるぽんは自らサンドバッグに変化して衝撃を最小限にまで弱めた。
俺を庇って正一からの渾身の一撃をくらい瀕死状態になったのだ。
「妖怪か、この化け狸も一緒に祓ってやる。覚悟しろよ、鬼!」
続いて第二撃目
正一が釘バットを振りあげるとヤツの背後に人影があった。
正一はまだ気づいていないらしい。
次の瞬間
ゴッ!!
その人影が正一の頭を思い切り学生用の鞄で殴ったらしい
「大丈夫?」
そこには顔の半分が封印の札で隠れている見慣れた顔の女がいた。
須賀椎奈(すがしいな)。
黒い長髪に少し赤みがかった瞳。肌は少し白い方。
椎奈は俺と正一と同じクラス。
周りからはわからないが、れっきとした妖怪だ。
正一は気絶したのか道端にゆっくりと倒れた。
彼女の一撃を頭にくらうとか、ご愁傷様・・・。
「正直、助かった・・・。ありがと。」
「礼は菓子と昼飯の弁当を一週間分でいいぞ。」
椎奈は眩しいほどの笑顔を俺に向けて食べ物を要求。
早起きしなくちゃいけないな。
「で、正一に追いかけられているとなると・・・一縷、お前、また何かやらかしたのか?
今回は何をやらかした?どんな事をしたらあんな鬼のような形相で追いかけてくる?」
椎奈は少し面白そうだ。こっちは苦労してるのに。
「おい、一縷の旦那に気安く話しかけてるんじゃなか!
話しかけるんなら子分になりなんさ!」
「そうですよ、害虫のくせに!」
「親分の友達でも僕は容赦ないですよ!」
すすろ、瞬、ぽんの三匹が椎奈にくいつく。
そのまま三匹は椎奈に向かってくどくどと何かを言い始めた。
ただ単に、構ってほしいならそう言えばいいのに。
椎奈は三匹の話など気にもしない。スルースキルはすごい。
「とにかく、無茶はするな。私がお前の父親に怒られる。」
椎奈は正一の様子を確かめながら俺に気を遣ってくれた。
最後の一言は・・・、そっとしておこう。
「久しぶりに全速力で走ったら腹減ったなー。今日の夕飯何だろ。」
正一に追いかけられた事は明日まで忘れておこう。
明日になったら記憶が消えていると嬉しいのだがね。
「親分、焔さんが『今日は鍋だぞ。』って言っていましたよ!」
鍋か、大人数がいい。
「しょうがない・・・、こいつも連れて行くか。」
俺が正一を見ながら言うと椎奈以外はぎょっとした目でこちらを向いた。
鍋は大人数の方が楽しい。
ついでに、こいつの怒り静めないとな。原因は俺だし。
「椎奈は食ってくか?」
「行く。肉は私が全部取ってやるから安心しろ。フフッ。」
正一を瞬の上に乗せて俺の家まで直行。
焔には怒られたけど、大人数での鍋戦争は楽しかった。
正一も鍋を食べて少し機嫌が良くなったのか、文句を言いながらも鍋戦争に参加。
椎奈と肉の争奪戦を繰り広げるくらいには楽しんでいたと思える。
できるなら、このまま平凡な日が続くことを願う。
「そうだ一縷、今日は泊まらせてもらうぞ。焔からの許可なら得た。」
「えっ。」
食後、椎奈が言った言葉に俺は固まった。
でも、もうちょっと平凡さが欲しい気もする。
大声をあげて追いかけてくるのはいつも通り、ヤツだ。
矢車(やぐるま)正一(まさかず)。
妖銘町(ようめいちょう)にある寺の住職の息子であり、『祓屋(はらいや)』である。
先祖代々、妖怪や霊を祓い、清めるのを家業としているらしい。
ついでということで鬼も祓うとか言ってるおかしいヤツだ。
でも、学校では人当たりも良く、頭も良い。運動神経抜群。
クラスの学級委員にもなっている。
そんで、俺と同じクラス。
だが、今はそんな事どうでもいい。
問題は正一がブチ切れながら釘バットを持ち、俺を全力疾走で追いかけてくるという事だ。
まぁ、悪いのは俺なんだが。
「だから悪かったって謝ってるだろうが!」
俺の制止の言葉も聞かずに殺気を放ちながら釘バットを振り回してくる。
実際、なぜこんな事になったのかというと、
学校でとあるムカつくクラスメイトに雑巾を投げたら、丁度その前を通った正一にヒット。
で、雑巾を投げたのが俺だとわかってブチ切れた。
まったく・・・災難だ。
俺は後が怖かったからすぐに謝った・・・けど時既に遅し。
学校の外まで追いかけられることになった。
「おい、『ぽん』は居るか?こうなったら『瞬』か『すすろ』でもいい、正一を足止めしてくれ。」
空から赤いものが落ちてくる。よく見ると赤い傘。
「あいさー。まったく、正一の旦那もいつになったら懲りるんかねえ。
一縷の旦那はさっさと逃げてくりゃんせ!」
赤い傘の正体はすすろ。傘化けだ。
子分の妖怪の中でもとびきり強い耐久力を持っている。
すすろの傘にかかれば釘バットなんてなんてことない・・・はず。
「すすろ、防御は任せますよ。私は一縷さまの言うとおり、『足止め』をしますので。」
すすろの影から一匹の狐が顔を出す。
よく見ると瞬の周りに青い火の玉が浮いていた。これは妖狐の種だけが持つ狐火。
「すすろ、瞬、ぽんはどうした?」
「さてはて、迷子にでもなりましたかね・・・。」
「多分、留守番してるんだとな。」
「そ、そうか。」
正一の攻撃を防ぎながらも『ぽん』がいないことが気になった。
「って、のんびりしてたら突破されるぞ!」
またも、時すでに遅し。
正一が持つ巨大な力ですすろの防御が突破された。
そして瞬の狐火も正一の釘バットにより場外ホームラン。
思った以上に飛んだな。
「その程度で俺を止めようなんて・・・甘い。」
「げっ・・・。」
相当お怒りのようだ。
不敵な笑み浮かべて俺の頭上をロックオン。
そして、釘バットを持ち上げた。
「終わりだ。」
ドスッ!!
鈍い音が聞こえた。
いつまで経っても痛みが無いので目を開けてみると目の前にはサンドバッグ。
「迷子になって、遅くなりま・・・し・・た・・・・・・きゅう。」
ぽんっと音を出し、煙をたてながらサンドバッグは小さな狸へと姿を変えた。
しかも子狸。ぽんだ。
化け狸であるぽんは自らサンドバッグに変化して衝撃を最小限にまで弱めた。
俺を庇って正一からの渾身の一撃をくらい瀕死状態になったのだ。
「妖怪か、この化け狸も一緒に祓ってやる。覚悟しろよ、鬼!」
続いて第二撃目
正一が釘バットを振りあげるとヤツの背後に人影があった。
正一はまだ気づいていないらしい。
次の瞬間
ゴッ!!
その人影が正一の頭を思い切り学生用の鞄で殴ったらしい
「大丈夫?」
そこには顔の半分が封印の札で隠れている見慣れた顔の女がいた。
須賀椎奈(すがしいな)。
黒い長髪に少し赤みがかった瞳。肌は少し白い方。
椎奈は俺と正一と同じクラス。
周りからはわからないが、れっきとした妖怪だ。
正一は気絶したのか道端にゆっくりと倒れた。
彼女の一撃を頭にくらうとか、ご愁傷様・・・。
「正直、助かった・・・。ありがと。」
「礼は菓子と昼飯の弁当を一週間分でいいぞ。」
椎奈は眩しいほどの笑顔を俺に向けて食べ物を要求。
早起きしなくちゃいけないな。
「で、正一に追いかけられているとなると・・・一縷、お前、また何かやらかしたのか?
今回は何をやらかした?どんな事をしたらあんな鬼のような形相で追いかけてくる?」
椎奈は少し面白そうだ。こっちは苦労してるのに。
「おい、一縷の旦那に気安く話しかけてるんじゃなか!
話しかけるんなら子分になりなんさ!」
「そうですよ、害虫のくせに!」
「親分の友達でも僕は容赦ないですよ!」
すすろ、瞬、ぽんの三匹が椎奈にくいつく。
そのまま三匹は椎奈に向かってくどくどと何かを言い始めた。
ただ単に、構ってほしいならそう言えばいいのに。
椎奈は三匹の話など気にもしない。スルースキルはすごい。
「とにかく、無茶はするな。私がお前の父親に怒られる。」
椎奈は正一の様子を確かめながら俺に気を遣ってくれた。
最後の一言は・・・、そっとしておこう。
「久しぶりに全速力で走ったら腹減ったなー。今日の夕飯何だろ。」
正一に追いかけられた事は明日まで忘れておこう。
明日になったら記憶が消えていると嬉しいのだがね。
「親分、焔さんが『今日は鍋だぞ。』って言っていましたよ!」
鍋か、大人数がいい。
「しょうがない・・・、こいつも連れて行くか。」
俺が正一を見ながら言うと椎奈以外はぎょっとした目でこちらを向いた。
鍋は大人数の方が楽しい。
ついでに、こいつの怒り静めないとな。原因は俺だし。
「椎奈は食ってくか?」
「行く。肉は私が全部取ってやるから安心しろ。フフッ。」
正一を瞬の上に乗せて俺の家まで直行。
焔には怒られたけど、大人数での鍋戦争は楽しかった。
正一も鍋を食べて少し機嫌が良くなったのか、文句を言いながらも鍋戦争に参加。
椎奈と肉の争奪戦を繰り広げるくらいには楽しんでいたと思える。
できるなら、このまま平凡な日が続くことを願う。
「そうだ一縷、今日は泊まらせてもらうぞ。焔からの許可なら得た。」
「えっ。」
食後、椎奈が言った言葉に俺は固まった。
でも、もうちょっと平凡さが欲しい気もする。
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